農業研究本部へ

上川農業試験場

場長室より(風景とひとこと)

道総研上川農業試験場のサイトにお越しいただき、誠にありがとうございます。 

このページ「場長室」では、上川農業試験場の近況や作業風景、催しもののお知らせ、お知らせすることがないときは場長のたわいないひとりごとを記載いたします。お目汚しの写真とつたない文章ではありますが、もしお時間が許しましたら、ときどきこのページにもお付き合いいただけますと幸いです。

※過去記事一覧はこちら

 

2026.3.31 たいへんお世話になりました。新年度もどうぞよろしくお願いいたします。

私ども農業試験場は、4月から翌年3月までの「年度」単位で業務を執り行っています。なので3月31日は「おおみそか」のような、新しい年が始まる直前の慌ただしくも少し浮き足立つような気分が職場内にただよいます。

年度末にも紅白歌合戦のようなイベントがあったら良いですよね。たとえば、甲鱗虫合戦(こうりんむしがっせん)と題して、甲虫目と鱗翅目のウンチクを延々語り合うというのはどうでしょう。当場では3人くらい同意してくれそうですが、カメムシ目を入れるべきではないかなど別の合戦が生じるおそれもありますので、やめておきます。

 

さて、作物には栽培に適した季節があり、人間の方の「年末」、「年度末」のような区切りはありません。

4月1日の人事発令などお構いなしに、雪解けはすすみ、小麦は顔を出しています。水稲育種では2週間後に迫った種まきの準備で大わらわです。

 

塩水選
種もみを塩水に浸けて選別する「塩水選」

 

 

農業現場に思いを馳せると、気候変動と労働力不足は、これから将来にわたって重くのしかかる、大きな課題です。少し先の未来へ向けてどんなことができるだろう、何が求められるだろう、本年度はそんなことを考えながら場内の試験を眺めていました。

 

そして、そんな大事なことも忘れて、作業や風景に心をうばわれる瞬間が少なくありませんでした。

 

機械移植
5月。忙しい田植え作業、顔を上げると大雪山。

 

 

交配作業
7月。蒸し暑い室内、汗だくで交配作業

 

 

小麦収穫
7月。汗だくになりながらの、秋まき小麦収穫

 

 

アポロ13のよう
作業を終えて休憩に向かう職員に、映画のワンジーンを想像しました

 

 

夕陽に映える防雀網
8月。夕陽を浴びた防雀網

 

 

収穫
9月。バインダーでの収穫、稲穂が美しい

 

 

こんぶではありません
10月。こんなところでこんぶ干し?ではなく、試験で使用した防草シートの片付けでした。

 

 

脱穀
10月。調査脱穀、流れるようなチーム作業

 

 

冬野菜
12月、まわりが雪景色のなか、ハウスの中でレタスを収穫

 

 

土
12月、土の分析。美術品を扱っているようにも見えてきます

 

 

この「場長室」は、農業試験場の普段の姿やその業務の意義といったものを紹介していければと思い、手探りではじめたところでした。1年ほど続けてみて、農業試験場の日常自体が他の場所にはない農試ならではのものが多いと改めて感じています。この場が、誰かにとって農試を知っていただくきっかけになっておりましたら、たいへん幸いに存じます。

 

培土を注ぐ研究員
3月。作業室のひとコマが絵画のようでした

 

 

 

さて、突然のお知らせとなりますこと、ご容赦ください。

私こと、令和8年4月1日の人事異動により、上川農業試験場を離れることとなりました。

結果的に1年というたいへん短い任期となり、私自身さみしい気持もありますが、関係のみなさまとお話しさせていただくなかで農業試験場におおきな期待を寄せていただいていることを改めて感じることができました。また同時に、農業試験場という場所に対して心理的な距離感を持たれている方も少なくないように感じられました。

この「距離感」は、何をやっているのかわからない、どんな人がいるかわからない、どんな相談ができるのかわからないなど、「わからない」=「情報がない(少ない)」ことが要因ではないかと思います。

実際にお会いして、真面目なことやそうでもないことなど会話をさせていただくことで、距離感はぐっと縮まっていくことを感じます。私自身、ゆっくりとでも試験場を近くに感じてもらいたいと考えていたところですが、このあとの取り組みは後任に託したいと思います。コマツさん、よろしくね。

後任のコマツは声がハンサムです。声だけではありません、瞳がキュートです。ご期待ください。

 

 

人事は組織を活かす「代謝」でもあります。私自身これまでもそうでしたが、今後も命じられた先の役割をいかに楽しむかを命題にしたいと思います。新しい視点が持てることを楽しみにもしています。

場員のみなさま、まずは身体を大事に、そして少し先の将来を想像し、生産現場で役立ててもらうことがわれわれの職務であることを念頭に置きながら、目の前の仕事を今までどおり誠実に取り組んでください。つくづく思いますが、みなさん、良い仕事をしています(ベテラン鑑定士のような言い方ですみません、本当にそう思っています)。立場は変わりますが、上川農試の取り組みをずっと応援しています。

 

上川・留萌地域の関係のみなさま、たいへんお世話になりました。上川農試は全道向けの水稲育種および地域の農業振興ため、変わらず努力を続けて参ります。今後とも、ご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

なにより、今年、そしてこれからの作柄が豊かなものとなりますように。

上川・留萌地域の発展を祈念しつつ、また、私自身のこれから立場からも貢献ができるよう努めてまいります。

 

たいへんお世話になりました。
新年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026.3.31 神野裕信 拝

 

 

3月末
雪解けがすすんでいます

 

 

追記:この1年、特に印象に残っているのは、外勤の車の中で、水稲栽培試験を担当する若手研究員から教えてもらった、珍しい蛾(が)の話です。

 

null
インスタグラムにも写真を掲載しています

 

過去記事はこちら | 上川農試ホームに戻る