新品種候補 （作成 平成１１年１月）
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総合農業 |
作物生産 |
夏畑作物 |
ばれいしょ |
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北海道農業 |
作物 |
畑作 |
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ばれいしょ新品種候補系統 「根育３１号」の概要 北見農試 研究部 馬鈴しょ科 １．特性一覧表 |
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系統名 |
ばれいしょ「根育３１号」 |
組合せ |
Atlantic × Cherokee |
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特 性
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長所
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短所
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採用道県と普及見込み面積 |
北海道 1,000 ha |
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調査場所 |
根釧農試（育成地） |
中央農試 |
十勝農試 |
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系統名または 品種名 形質 |
根育 ３１号 |
男爵薯
(標準) |
農林 １号 (比較) |
根育 ３１号 |
男爵薯
(標準) |
農林 １号 (比較) |
根育 ３１号 |
男爵薯
(標準) |
農林 １号 (比較) |
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早晩性 |
中 |
早 |
中晩 |
中 |
早 |
中晩 |
中 |
早 |
中晩 |
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開花期 (月日) |
7 .19 |
7.20 |
7.21 |
6.27 |
(6.29) |
6.28 |
7. 4 |
(7. 5) |
7. 5 |
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枯凋期 (月日) |
10. 3 |
9.17 |
10.9* |
9.17 |
8.23 |
9.20 |
9.21 |
9. 3 |
9.30* |
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茎長 (cm) |
62 |
45 |
67 |
58 |
38 |
61 |
76 |
54 |
86 |
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上いも数 (個/株) |
8.9 |
10.4 |
8.7 |
9.7 |
10.0 |
10.4 |
9.3 |
10.1 |
9.6 |
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一個重 (g) |
107 |
84 |
120 |
102 |
84 |
104 |
105 |
83 |
103 |
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上いも重 (kg/10a) |
3,669 |
3,362 |
4,008 |
4,365 |
3,654 |
4,774 |
4,335 |
3,726 |
4,392 |
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対標準比 (%) |
109 |
100 |
119 |
119 |
100 |
131 |
116 |
100 |
118 |
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中以上いも重 (kg/10a) |
3,314 |
2,827 |
3,780 |
3,859 |
2,945 |
4,301 |
3,905 |
3,076 |
3,998 |
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対標準比 (%) |
117 |
100 |
134 |
131 |
100 |
146 |
127 |
100 |
130 |
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でん粉価 (%) |
17.0 |
14.9 |
17.7 |
15.8 |
15.4 |
16.4 |
15.8 |
14.8 |
15.6 |
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塊茎 |
形状 |
扁球 |
球 |
扁球 |
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皮色 |
白黄 |
白黄 |
白黄 |
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目の深浅 |
やや浅 |
深 |
中 |
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肉色 |
黄白 |
白 |
白 |
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休眠期間 |
やや短 |
やや長 |
やや短 |
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耐病虫性 |
ｼｽﾄｾﾝﾁｭｳ (中央) |
強(H1) |
弱(h) |
弱(h) |
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塊茎腐敗 (十勝) |
弱 |
弱 |
中 |
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葉巻病 (中央) |
弱 |
弱 |
弱 |
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粉状そうか病(長崎) |
やや強 |
弱 |
中 |
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そうか病 |
やや強 |
弱 |
弱 |
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中心空洞 |
微 |
少 |
微 |
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褐色心ぐされ |
微 |
微 |
少 |
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二次生長 |
やや少 |
微 |
無 |
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調理特性 |
肉質 |
やや粉 |
やや粉 |
中 |
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調理後黒変 |
少 |
少 |
中 |
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煮崩れ |
やや多 |
中 |
少 |
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食味 |
中上 |
中上 |
中 |
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用途 |
調理用 |
調理用 |
でん粉用 |
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調査年次 |
平成５〜９年 |
平成７〜１０年 |
平成６〜１０年 |
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注 1)枯凋期欄の* 印は霜による枯凋または未枯凋の年次を含む。 2)根釧農試馬鈴しょ科は平成10年に北見農試に移転した。
２．ばれいしょ「根育31号」の特記すべき特徴
早晩性は「男爵薯」より遅く「農林１号」よりやや早い中生に属する調理用の系統である。「男爵薯」より上いも平均一個重が大きく、上いも重及び中以上いも重が多い。そうか病抵抗性はやや強に属し、「男爵薯」など既存の調理用品種に比べ発病が少ない。また、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ。
３．北海道で奨励品種に採用しようとする理由
そうか病は、ばれいしょ塊茎表皮にあばた状の病斑を形成し、商品価値を著しく低下させる、土壌及び種いも伝染性の難防除病害で、近年、北海道のばれいしょ生産地において大きな問題になっている。道立農業試験場では、平成６年よりジャガイモそうか病総合防除法開発試験を開始し、そうか病の防除法の開発に取り組んでいる。また、道立農試のばれいしょ育種においても、そうか病抵抗性を重要な育種目標の一つに掲げ、抵抗性品種の開発を進めている。
このような背景から育成された「根育31号」は、既存の品種よりそうか病に強いことに最大の優位性がある。「根育31号」を奨励品種に採用することにより、そうか病の発生に不安のあるばれいしょ生産圃場において、そうか病の少ないばれいしょの生産が安定的に可能になり、さらには耕種的な防除法を組み合わせることで、防除効果をより高めることも可能になることから、北海道のばれいしょの生産振興に寄与するものと考える。
４．普及対象地域
北海道一円
（そうか病発生地帯）
５．栽培上の注意
１）そうか病発病いも率15%以下を目標とした場合、「男爵薯」の発病いも率が30％以下の圃場に栽培する。
２）健全株にウイルス病によるモザイク症状に似た退緑斑紋が発生することがあるので、原採種栽培では抜き取りにあたり注意する。
３）二次生長が発生しやすいので、培土、収穫時期などに留意する。
４）亀の甲病や亀の甲病類似症状が発生することがある。