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北見農業試験場

ばれいしょ新品種が育成されるまで

★ 交配から優良品種認定までに10年以上かかります ★

年数試験名供試
系統数
選抜
系統数
説明
1交配

 

200
組合せ
に交配

 

 

 

100
組合せ
200,000
粒採種

 

 

-「タネ」をとる-

用途や収量性、病害虫抵抗性などを考慮しながら、交配組合せを決定します。父親品種のおしべから花粉を集め、母親品種のめしべに授粉します。交配に成功すると、ミニトマトによく似た果実(赤くはなりません)から約100粒の種子(真正種子)がとれます。


交配

真正種子
2実生
個体選抜

 

60,000

 

 

10,000
個体

 

 

-「タネ」から苗を育て「イモ」をとる-

真正種子を育苗箱にまき、約1ヶ月後にビニールポットに1株ずつ定植し、網室内で育てます。真正種子から育った苗は、たとえ同じ両親組合せであっても1株1株遺伝子型が異なるため、性質も異なります(人間の兄弟も同じです)。枯れるのが極端に遅い株や、草姿が悪い株は生育途中で廃棄し、1株から1個だけイモを収穫します。

実生苗
網室内の実生苗
3第二次
個体選抜

 

10,000
個体

 

 

600
個体

 

 

-「イモ」から苗を育てイモを増やす-

イモを畑に植え付けます。前年に1株から1個しかイモを収穫していないので、1株1株性質が異なります。そうか病抵抗性が期待できる組合せは、そうか病検定圃場に植え、疫病抵抗性が期待できる組合せは、疫病用の殺菌剤をまかずに栽培し、抵抗性が弱いと判断された個体は廃棄します。収穫は隣の株のイモが混ざらないように注意深く行い、熟期が遅いもの、いもの外観が劣るもの、でん粉価が低いものなどを廃棄します。さらに冬の間に中央農試生物工学グループでDNAマーカーを利用したジャガイモシストセンチュウとYモザイク病の抵抗性検定を行い、抵抗性のないものも廃棄します。以後は新品種決定まで、「種イモ」を植えて1種類(系統)あたりの株数を増やしながら、性質が劣るものを毎年毎年捨てていく作業となります。

第二次個体選抜
第二次個体選抜収穫
4系統選抜

 

600

 

 

75

 

 

-10株ずつの調査-

1粒の真正種子からイモで増やした、同じ遺伝子型を持つイモの集団を「系統」と呼びます。系統選抜では1系統あたり10株ずつ供試し、熟期、草姿、収量性、でん粉価、調理・加工適性、内部異常等に基づいて選抜します。


系統選抜試験圃場
5生産力
検定予備
75
20
-さらに株数を増やして試験精度を高める-

1系統あたり30株×2反復供試します。収量性、調理・加工適性、内部異常等に基づいて選抜します。

 
6生産力検定

前期

生産力検定試験

20
4
-ようやく本格的な試験が始まる-

1系統あたり48株×3反復供試します。収量性や品質、さらには病害虫抵抗性などのより詳細な検定を優良品種に決定するまで5年以上行います。

選抜された系統には「北系○号」の系統名を付与します。

チップ適性検定
ポテトチップス検定

調理適性検定

でん粉粒径調査
7地域
適応性
検定
特性検定
4
3
-「北系」系統-

北系番号を付与した系統は、普及想定地域に応じて、地域適応性検定(中央・上川・十勝農試)に供試します。
特性検定では、病害虫に対する抵抗性を検定します。 
シストセンチュウ、そうか病、塊茎腐敗(北見農試)、疫病(北見農試)、ウイルス病(中央農試)

選抜された系統には「北育○号」の地方番号を付与します。


ばれいしょ加工適性研究会

加工メーカー協力の下、ポテトチップス、フレンチフライ、ポテトサラダ、コロッケ、チルドの加工適性を評価します。
8~9地域適応性検定・生産力検定
(農試)
 
3
2
- 「北育」系統 -

北育番号を付与した系統は、中央・上川・十勝農試および北海道農業研究センターにおいて、それぞれの地域における適応性を3年以上調査し、品種としての実用性を検討します。さらに、現地の圃場(倶知安、上富良野、士幌、更別、北見、斜里、中標津の7ヵ所)では2年間調査します。

10優良品種決定調査
(現地)
2
1
11
1
1系統
 残れば
 大成功!
12
優良品種
-新品種に決定!-

北海道農業試験会議(成績会議)を経て北海道の優良品種に決定されます。

12~14
種いも
増殖
一般栽培用の種イモを生産するために、原原種原種採種栽培を経なければならないので、優良品種決定から一般栽培までに4年ほどかかります。

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